日時計の丘

小さなギャラリー、小さなホール、小さな図書館

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ひなげしの咲く庭先(南ドイツ、シュワーベン地方)

この近くに、友人や知人が住んでいるので、この家の前の通りはよく歩いた。以前この家は崩れかかった空き家で、人が住んている気配はなかった。このところ家主が変わったのか、屋根や壁は新しくなり、庭も自然を残しながら整理されていた。今年の六月にその前を通ったら、ひなげしの花が赤く咲き乱れていた。この頃は、南ドイツやフランスは麦が黄色に色づく麦秋の季節で、その麦の間に自然に生えた赤いひなげしの花がよく咲く。なんとも美しい農村風景だ。
そのひなげしをそのまま庭先に植えておくのは珍しい。家の前には白バラが咲き、そのコントラストには絶妙な美しさがあった。あまり広くはないが、この庭の風情を見ていると、自ずとそこからこの家の主人の感性、さらに生き方のようなものが伝わってくる。人の姿は見えず、その気配も感じなかった。こんな庭の奥にどんな人が住んでいるのだろうか、と覗きたくなる。
友人も知人も、そこに住んでいる人のことは全く知らない、と言っていた。リルケ、さらにツェランに傚って、「誰のものでもない庭」とでも言いたくなってくる、

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